仏像

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仏像のご案内

かつて講堂に5mを超える巨像が立ち並んでいた当時から、観世音寺の尊像群は西日本随一の仏教美術の粋として人々の目と心を奪っていた。
しかしこの寺は火災や台風による被災の歴史もあり、この仏像群を後世に伝えるため保管の重要性が考えられてきた。

そうした意見を受け1959年に正倉院風の収蔵庫が建てられ、仏像の大部分はここに収められている。
立ち並ぶ丈六仏の雰囲気は圧巻であり、ぜひ実際に足を運んでいただきたい。

重要文化財の尊像群

木造聖観音立像

講堂の正面の厨子に安置されており、観世音寺の本尊である。文武天皇の時代に肥前国杵島の沖にて漁師の網にかかり引き揚げられたとの伝承があり、杵島観音とも呼ばれている。「観世音寺絵図」中の上方には本像を海中より引き揚げている様子を思わせる描写が確認でき、伝承の裏付けとなっている。

木造馬頭観音立像

桧材の寄木造で、1126〜30年に大宰大弐藤原常忠によって造立されたと伝承されている。像高は503cmをほこり、日本国内で最大の馬頭観世音菩薩像であり、丈六仏で四面八臂像は他に例がない。通常の観音菩薩は慈悲深い表情を浮かべているが馬頭観音は憤怒の形相を浮かべている点が特徴である。馬が牧草を食べ尽くすかのように諸悪の根源を食べ尽くし人々を苦しみから救済するとされている。

木造不空羂索観音立像

現存の不空羂索観音立像は樟材の寄木造で、像高517cmである。創建時の本尊であった不空羂索観世音菩薩塑像は1221年に顚倒し破砕したがわずか1年で再興されている。不空羂索観音の不空は大悲の心で大衆を残らず済度すると言う意味を持ち、左手の一臂の輪縄(羂索)はこの世の迷いの海に溺れる衆生を救うために垂れ下げられている。

木造大黒天立像

樟材の一木造で12世紀の作である。一般的に大黒天といえば七福神のニコニコした神様のイメージであるが、本来の大黒天は戦闘の神である。二つの様式があり一つは武装し憤怒の表情を浮かべる荒神と、本像のように頭巾を被り額に皺を寄せしかめ面をし、腰に手をあてながら袋を担ぎ立つ善神の像である。本像は大黒天善神の古い像形を示しており、善神は厨を守るとされているが、本像も食堂に置かれていたものと考えられている。

木造毘沙門天立像

重要文化財の指定名称は木造毘沙門天立像であるが、甲冑で身を固め、左手に宝塔、右手に武器、足元からは地天女に支えられていることから兜跋毘沙門天像として知られている。樟材の一木造で像高160cmと、観世音寺の巨像に囲まれると小柄な像ではあるが独特の存在感を醸し出している。

その他

木造地蔵菩薩立像
木造地蔵菩薩半跏像
木造十一面観音立像
木造十一面観音立像
木造十一面観音立像
木造聖観音坐像
木造阿弥陀如来坐像
木造四天王立像
木造吉祥天立像
木造阿弥陀如来立像(九州国立博物館へ寄託)

仏像以外の指定文化財

木造舞楽面(重要文化財)
石造狛犬(重要文化財)
銅製天蓋光心(重要文化財)
青磁三足壺(重要文化財)